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方程式について1

この記事は方程式が苦手な人のために方程式について分かりやすく説明します。



方程式を理解してない生徒はかなり多いです。取り合えず解けるようにはなっても、本当の意味で理解しているかどうかは分かりません。



テストでそこそこ点数を取れていても、中1の夏頃になっても方程式をきちんと理解していない生徒はかなり多いです。中学生どころか、大人の中にも多いです。



方程式を理解しているかどうかは、次のような問題を解かせれば簡単に分かります。



大人のお前らも実際に手を動かしてやってみましょう。この記事は数学の苦手な中学1年生でも理解できるように書きますが、文章だけだときついので、大人が先に読んで噛み砕いて説明してやった方がいいでしょう。もちろん、数学が苦手な高校生や大学生が読んでも役に立ちます。



さて、問題です。



と、その前にちょっとだけ準備運動をしましょう。紙と書くものを用意して下さい。式は自分の手を使って紙に書いて下さい。こういうことが素直にできない人は何をやってもそこそこのレベルで終わってしまいます。



 10 から 4 を引いて下さい。答えだけではなくて、途中式も書いて下さい。



簡単な問題ですが、バカにせずにしっかりと手を動かして下さい。





答えは、



\begin{equation} 10 -4 = 6 \end{equation}



です。




次の問題です。 8  2 をかけて、 3 を引いて下さい。答えだけではなくて、途中式も書いて下さい。



これも簡単ですね。下のようになります。



\begin{equation} 8\times2 -3 = 13 \end{equation}



次に、 13 から 6 を引いて下さい。この式に続けて書いて下さい。













さて、どうなりましたか?

















\begin{equation} 8\times2 -3 = 13 -6 = 7 \end{equation}



のようになってませんか?これは間違いです。



 8 ×2 -3 = 13 ですが、 13 -6 = 7 であって、 13 = 7 ではありません。これがおかしいと気づかなかった大人は、俺のところに1万円札を13枚持ってきて下さい。お前の1万円札13枚を、俺の1万円札7枚と交換して差し上げます。13と7って一緒なんだろ?同じだから損はしないはずです。



こういう間違いをして平気な人は、イコールという記号の意味を理解していません。 = (イコール)という記号は大変強い意味を持っていて、「 = 」で挟まれた左右の数字がちょっとでも合わなかったら = という記号を使うことはできません。



例えば、 1  1.000000000000000000000001 では、たったの 0.000000000000000000000001 しか違いがありません。だいたい同じですが、だいたい同じだからといって = という記号は使えません。全く同じでないとイコールという記号を使うことはできません。



 = という記号を使う場合は、 = の左右をよく見て全く同じになっているかどうかを判断しないといけません。



小学校ではイコールの記号の意味をきちんと教えないので、小6か中学1年生になりたての生徒はほぼ全員がひっかかります。



東京で教えていた時にイコールを理解していない高校生を見たことがあります。東京で中学受験をするには相当な塾代がかかります。高いお金と膨大(ぼうだい)な労力をかけて私立の学校に入ったのに、入った学校でイコールをきちんと教わってないというのは笑えません。



ちなみに、僕は中学受験で出題される算数の問題が解けません。勉強したことないので全然解けないですが、高校数学は東大に入る程度はできます。塾で教えていましたが、中学受験のためにやっている勉強の半分くらいは無駄です。中学生や高校生になっても全然役に立たないです。



いい大学に入るためには少しでもいい中学に入らないといけない。いい中学に入るためには少しでも偏差値を上げないといけない。算数の偏差値を上げるためには難しい問題を解く練習をしないといけない。こういう謎の三段論法を作り上げて無駄な消耗戦をやっているわけです。



上の間違った式を修正(しゅうせい)してみましょう。紙とペンを使って実際(じっさい)に手を動かして下さい。



 8\times2 -3 = 13 の式から 6 を引くと、こうなります。



\begin{eqnarray} 8\times2 -3 -6 & = & 13 -6 \\ & = & 7 \end{eqnarray}



数式は見やすいように、縦(たて)に長く書いて下さいね。=の左側(ひだりがわ)を左辺(さへん)、右側(みぎがわ)を右辺(うへん)といいます。左辺と右辺を別々に計算して比べると、確かに同じになります。



実は、これが方程式の入口になります。教育現場では、イコールの記号の意味をきちんと理解させずに「移項(いこう)」という言葉を使って説明するのが主流(しゅりゅう)ですが、頭が悪すぎます。イコールをきちんと理解していれば移項という言葉を使う必要はないです。



原理・原則さえ理解していれば応用するのは難しくありません。



次の問題を解いてみましょう。



 2  4 をかけて下さい。結果だけでなく途中式も書いて下さい。

















これは簡単ですね。



\begin{equation} 2\times4 = 8 \end{equation}




です。



今度は上の式から、 1 を引いて下さい。これはもう騙(だま)される人はいないでしょう。















\begin{eqnarray} 2\times4 -1 & = & 8 -1 \\ & = & 7 \end{eqnarray} 



になります。



次の問題です。 2\times 4 -1 = 7  3 をかけて下さい。














どうなるでしょうか?











\begin{equation} 2\times4 -1\times 3 = 7\times3 \end{equation}

のように書いてしまいませんでした?左辺は 5 で、右辺は 21 になってしまいます。もしもこれが同じだったら、お前は100万円の札束を21個持ってきて下さい。俺様の札束5個と交換して差し上げます。 21  5 が同じだったらお前は損しないはずだろ?



こういう場合は括弧(かっこ)を使います。正しく書き直すとどうなるでしょうか?






下のようになります。



\begin{equation} ( 2\times4 -1 )\times 3 = 7\times 3 \end{equation}



計算をすると、たしかに左辺も右辺も$21$になりますね。これが弱い人は時間をかけて小学校の四則演算の範囲をやり直しましょう。今の学習指導要領(がくしゅうしどうようりょう)では5年生で扱うと記憶していますが、つまづく生徒は多いです。



イコールで繋(つな)いだ式を等式(とうしき)と言います。等式の意味が分かると、マイナスをかけてマイナスになる理屈(りくつ)が理解できるようになります。ちょっと長いですが、お前らの手垢(てあか)で汚れた薄汚いiPhoneでエッチな動画を見るのを我慢して、しっかりと手を動かして下さい。



さて、みなさんは次の式の意味は分かりますか?



\begin{equation} 1 = 1 \end{equation}



これはもうちょっと詳(くわ)しく書くとこうなります。



\begin{equation} +1 = +1 \end{equation}
 


です。これは中1の範囲(はんい)です。ちょっとうるさくなりますが、説明のためにここからはプラスとマイナスを必ず書くようにします。



 1=1 という式をちょっとだけいじって新しい式を考えます。 2-1=1 です。この式を詳しく書くと、 +2-1=+1 です。この式に、 +1 をかけてみましょう。手を動かして実際に書いて下さい。



\begin{equation} ( +2 -1 )\times( +1 ) = +1\times( +1 ) \end{equation}


 
です。



記号が2つ重なるところは括弧を使って下さい。苦手な人はドリルで練習しましょう。



右辺から考えましょう。右辺は、



\begin{eqnarray} 右辺 & = & +1\times( +1 ) \\ 右辺 & = & +1\times(+1) \\ & = & +1 \end{eqnarray} 



です。



つまり、 +1\times( +1 ) = +1 というのは、 1\times 1 = 1 という意味です。プラスとプラスをかけるとプラスになります。特に問題はないでしょう。



もちろん、もっと厳密(げんみつ)に説明することもできます。これは別のページで説明します。興味がある人はプラスとプラスの数字をかけるとどうしてプラスになるか考えてみて下さい。



さて、問題は左辺です。



\begin{eqnarray} 左辺 & = & ( +2 -1)\times( +1 ) \\ & = & +2\times( +1 ) -1 \times( +1 ) \end{eqnarray} 




 + の数字と + の数字をかけると + になるので、



\begin{eqnarray} 左辺 = +2 -1\times( +1 ) \end{eqnarray}



になります。



 - の数字と + の数字をかけるとどうなるでしょうか?右辺は + 1になるので、 -1\times( +1 ) = -1 にならないと辻褄(つじつま)が合いません。



\begin{eqnarray} 左辺 & = & +2 -1\times( +1 ) \\ & = & +2 -1 \\ & = & +1 \end{eqnarray}



となります。



もしも、 - の数字と + の数字をかけたときにプラスになったらどうなるでしょうか?



\begin{eqnarray} 左辺 & =& +2 -1\times( +1 ) \\ & = & +2 +1 \\ & = & +3 \end{eqnarray}



となってしまいます。



右辺は +1 なのに、左辺は +3 で、 +1 = +3 になってしまいます。つまり、僕が1000万円の札束を1個持ってきたら、お前は1千万円の札束を3個持ってこないといけないことになります。僕はうれしいですが、いくら頭の悪いお前でもおかしいないうことに気が付くはずです。



ここで、小学校の復習をしましょう。 2\times3=6 ですね。そして、 3\times2 = 6 です。 4\times5 = 20 で、 5\times4 = 20 です。つまり、掛け算の場合は順番を入れ替えても成り立ちます。これを交換法則(こうかんほうそく)と言います。 2\times 3 = 3\times2 = 6 です。プラスやマイナスの符号(ふごう)が入っても同じです。 -1\times( +1 ) = +1\times( -1 ) なので、



\begin{eqnarray} 左辺 & = & +2 -1\times( +1 ) \\ & = & +2 +1\times( -1 ) \\ & = & +2 -1 \\ & = & +1 \end{eqnarray}

となります。やはり、 +  - の符号をかけると - になります。

 

ここまで説明したことをまとめます。 +  + の符号をかけると + で、 -  + の符号をかけると - になりましたね。


  + + → +
  - + → -  
  + - → -





問題は、 -  - の符号をかけるとどうなるかということです。いろんな証明がありますが、イコールの性質を使って説明すると方程式を理解するのに役立ちます。



さて、もう一度 +1 = +1 の式から出発します。この式を書き換えると、



\begin{eqnarray} +1 = ( +2 -1 )\times( +2 -1 ) \end{eqnarray}



になります。



これをわざと分配法則(ぶんぱいほうそく)を用いて展開(てんかい)します。分配法則は別のページで説明します。高校生でも分配法則を理解してない人がかなりいます。そうなると、高1の最初で出て来る長くて複雑な公式を丸暗記しないといけなくなります。



分配法則を使って展開すると



\begin{eqnarray} 右辺 & = & ( +2 -1 )\times( +2 -1 ) \\ & = & +2\times( +2 ) +2 \times( -1 ) -1\times( +2 ) -1\times( -1 ) \end{eqnarray}



となります。ここまでしっかりと理解した知識を使うと、 -1×(-1) 以外は計算できます。



\begin{eqnarray} 右辺 & = & +2\times( +2 ) +2\times( -1 ) -1\times( +2 )-1\times( -1 ) \\ & = & +4 -2 -2 -1\times( -1 ) \\  & = & -1\times( -1 ) \end{eqnarray}



残りはこれだけです。



左辺と右辺を比較(ひかく)します。元の式は +1 = +1です。 左辺 = +1 なので、 右辺 = -1\times( -1 ) = +1 でないとおかしいです。



もしもマイナスとマイナスをかけてマイナスになるのなら、 +1 = -1 になるはずです。この式は間違っていますが、もうちょっと使いやすいように両辺(りょうへん)に 1 を足してみましょう。そうすると、 2 = 0 になりますね。右と左の両方の辺のことを両辺と言います。



マイナスとマイナスをかけてマイナスになるということが納得できない人は、1000万円相当(そうとう)の金の延べ棒2本を僕のところに持ってきて下さい。お前が持ってきた金の延べ棒2本に対して、僕が持っている金の延べ棒0本と交換して差し上げます。まいどあり!



マイナスとマイナスをかけてプラスになるということがどうしても納得できない方は金の延べ棒を持って僕のところに来てください。交通費と宿泊費はこちらで全額負担させていただきます。



ここまで、イコールの性質と簡単な計算を使って -  - の符号をかけたら + になるということを論証(ろんしょう)しました。次の記事で「方程式とは何か」ということについて説明します。



ここから下は興味がある人だけ読んでおいて下さい。



算数や数学というのは、ろくに意味も考えずに公式を丸暗記して問題を解きまくることだと思っている人が多いですが、そうではないです。少なくとも東大はそういう筋(すじ)の悪い勉強を要求していません。入試問題を見れば分かります。



2005年に東大で「円周率が3.05よりも大きいことを証明せよ」という問題が出題されて話題になりました。円周率がどうして3.14という半端な数字なのかを疑問に思って自分で考えたことがある人には間違いなく有利だったはずです。



与えられた知識を丸暗記して問題集に載っている問題が解ければそれでいいと思うのではなく、「どうしてそうなるのかを自分の頭でしっかりと考えろ」という東大からのメッセージだと思いませんか?



どうしてそうなるのかということを徹底的(てっていてき)に考えた上で、文章や数式を使って他人に分かりやすく説明できる能力を「論理的思考能力(ろんりてきしこうのうりょく)」と言います。



公式丸暗記・解法の丸暗記では中学受験や高校受験はどうにかなっても、高校数学で間違いなく詰みます。中学受験や高校受験で60とか70とかの偏差値を叩き出しても、高校生になったら定期テストの問題すらまともに理解できません。いい中学に入るため、いい高校に入るために筋の悪い勉強を積み重ねて高校の数学でつまづく生徒をたくさん見てきました。



普通の人が考える「頭がいい人」というのは知識をたくさん持っている人です。クイズ番組では知識の量だけが要求されます。どうしてかというと、普通の人が、普通の人のためにクイズ番組を作っているからです。高校以上になると知識をただ覚えようとするだけの人は頭の悪い人です。頭が悪くても東大や京大に入れます。クイズ番組に喜んで出ているのは頭の悪い東大卒や京大卒です。



ググったら出てくるような知識をたくさん覚えて何になるんだろうね。どうしてマイナスとマイナスをかけるとプラスになるのかという説明はググっても出てこないよ。